舞城王太郎著「九十九十九」読みました

舞城王太郎著「九十九十九」読みました。

分からなかったけど、すごく面白かった、という感想です。

以下ネタばらしになります。
話は、全6話。
美し過ぎる美少年「九十九十九」が、目をくりぬかれたり、日本刀で、義理の兄弟を殺したりします。

しかし一話ごとに、「清涼院流水」という人物から、九十九十九のニセの出来事の小説が送られてきます。

大体、前の話で起こったことは、その小説の中だけの(実際は起こっていない)話だったりします。

途中、九十九十九が三人に出るところでは、(多分)、第一話からの九十九十九と、清涼院流水の書く九十九十九と、タイムスリップして来た九十九十九が、やり取りします。
(小説に書かれた主人公が、現実の主人公に干渉しているのでしょうか?)

しかし第一話からの、現実と思われた九十九十九も、実は誰かに書かれていることも否定できず、さらにそれが清涼院流水である可能性もあると複雑です。

さらに小説は進むと、「一つの体に三つの首のついた」九十九十九が現れます。
実は、美し過ぎる九十九十九は、実際は三つ首の怪物であり、その現実から逃避するために、自分は美しいという妄想世界を作ったと。
ならば、その世界を作ったのは、九十九十九自身であり、その虚構から出て、現実を見るべきなのか。しかしその考えも、最初から仕組まれていることなのか…。

…話は、聖書や推理小説、エロ、グロ多くの要素が詰まっているので、上記くらいのネタばらしは、ほとんど意味ありません。
(というか、上記の説明が間違っているかも。)
いろんな構造がありますが、支離滅裂ではないので、満足感はありました。